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2023年1月号より

1995年度生 房前 麻子

私立横浜英和女学院高校からウィスコンシン州に留学。
神奈川県立外語短期大学卒業。
三菱重工業に勤務した後、日本航空のCAとして国内線・国際線に10年間乗務。
その後、ペトロナス・アエロメヒコ航空等の勤務を経て、現在、横浜植木㈱海外営業部にて、野菜種子・盆栽・園芸資材の輸出業務を担当している。


あなたにとって、地球は、大きいですか、小さいですか?

 私は日本で、マレーシアの会社に勤めた事がある。日本にありながら、同僚は、3人の日本人と、40人位のマレーシア人。オイルの会社で世界中にプラントがあるので、同僚は世界中に転勤するし、出張もとても多い。 私のボスのお子さんが、アメリカの大学に行きたいと言った時の事。ボスが『そんな遠くに行ったら、お母さんが寂しがるよ』と言ったところ、『アメリカは遠くないよ。だってお父さんはしょっちゅう行き来してるじゃない』と言ったのだという。 この話を私にしたボスが、『うちの子供達にとって、地球は小さいんだな』と言った事が、とても印象に残っている。

 私には9歳になる息子がいる。息子にとって一番身近な国は、メキシコ。物心ついた頃に、私が、アエロメヒコ航空のキャビンクルーとして、日本とメキシコを行き来する生活を送っていたからだ。今でも、メキシコの国旗を見つけると喜ぶ。息子にとって、13時間の飛行と15時間の時差を経た地は、遠いものではないらしい。

 私は今、野菜のタネを輸出する仕事をしている。会社で開発した野菜のタネを、世界中の顧客に販売する。私は輸入ではなく、輸出が好きだ。輸入する時は販売する相手が1億3千万人だけれど、輸出する時は、70億人以上を対象にできるからだ。私が担当する商品の1つは、ニンジンのタネ。世界でニンジンを食べない国は、あまりない。世界中を相手に営業活動する私達にとって、地球は小さい。どこにでも行ける。英語があれば、どこででもコミュニケーションが取れる。ハードルはない。 

 気付けば私は、色々な国と御縁を作りながら、生きてきた。この礎となっているのは、間違いなく、高校生の時にアメリカで過ごした、あの1年だ。私の人生を変えてくれた。 息子にも、地球が小さく、また世界が広い人生を、歩んでほしいと願っている。

 あと5年程したら、IFでの留学を勧めてみるつもりだ。

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